ストーリー


妖怪の山の河童の発明、そして地底での核エネルギーの利用。
現世を反映した幻想郷では日々、微々たるものながら近代化が確実に進んでいた。
テレビや電力も利用され生活水準は我々とほぼ変わらない。
しかし幻想郷の「それ」は、我々の住む世界のような生活と一体化しすぎたものではない。
幻想郷は近代化しつつも、その波が始まる前と変わらぬ自然を湛え、
その恩恵を人々は大いに利用していたのである。

ところがある年の初秋のこと……
その自然と機械、科学の均衡が一気に崩れたのである。
だが幻想郷はどこを見渡してもいつもと変わらぬ風景。
人里の人間たちも畑仕事に精を出し、川へ水汲みに行っている。
一体何が変わったというのだろうか?

これを主張したのは他ならぬ幻想郷の賢者、八雲紫。
何者かの仕業で幻想郷の「技術水準」が一気に上昇してしまったことを察知したのだ。
そこで式の藍と橙は紫に命じられ、河童の元へと遣わせられることになった。
文明破壊を起こすほどの発明をさせないように警告するため、
そして技術の取り合いによる戦争への発展を未然に防ぐために……

一方その頃、早朝の命蓮寺境内―――― 境内の掃除をしていた山彦の妖怪、幽谷響子は珍しく境内に来て居た宮古芳香と共に、
轟音を響かせ空を高速で飛行していく見たことも無い船のようなものを目撃する。
それはかつて飛行していた聖輦船よりも巨大なものであった。
響子は驚きはしたものの特に気にすることなく掃除を再開。
一方驚いた芳香は主人である霍青娥に報告しに姿を消した。

一時間後、響子の元に青娥が現れる。
なんと先程の船の正体を突き止めに調査しに行くという。
どうやら船に秘められた力とやらに興味があるらしい。
そして驚くべきことにこちらに同行を求めてきたのだ。
突然のことに戸惑う響子だが、あの「轟音」が山彦の尊厳を脅かす存在になるかもしれないと話す青娥に諭され、
自らの存在を守るために同行を決意する。
こうして珍しいコンビが謎の船を探す旅に出ることになった。


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